フィギュア沼って聞いたことありますか?フィギュアは1体買うと、次々と仲間を呼び込むというジンクスがあるのです。そう、ジンクス。所詮は都市伝説でしょ~…と、思っていた頃が私にもありました。
はじまりは、ブックオフで見たガレージキット
その日は立川にあるブックオフで買い物をしていました。CDの収集癖があった私は、定期的にディスクユニオンやブックオフに通う習慣があり、その日もいつものようにお目当てのCDを物色している最中でした。
会計を済ませ「さぁ帰るか」という時、私の目線の先に見たことのない景色が。
そこにはスーパーサイヤ人孫悟空が今まさに、とどめのかめはめ波をスーパーマン(すごい組み合わせだな)に対し放とうとしているシーンが広がっていたのです。
そのあまりのクオリティにショックを受けた私は、しばらくショーケースの中をまじまじと眺めてしまいました。発作的に欲しくなったものの、値札に書かれた3万円に我に返りその日は帰宅。後日ネット検索をしてみると、どうやらあれはガレージキットと呼ばれている物のようでした。
その後、事あるごとにそのガレージキットを思い出しては、ブックオフへ覗きに行きました。しかしやはり3万の壁は高く、おとなしく帰宅。そんな事を繰り返していたある日、私はネットでさらなるショックを受けることに…。
最初のガレージキット購入。そして…
それは、ナメック星でスーパーサイヤ人孫悟空とフリーザが繰り広げた死闘のワンシーンでした。
「これはアニメのスクショ?え、これもガレージキットなのか…!?ほ、欲しいぃ。。。」
小学生の頃以来フィギュア(正確にはガレージキットですが)なんて買ったことのなかった私は、普段買わない物に少し戸惑いつつもお目当ての品をヤフオクで発見、落札することに。入札額は送料込みで1万7千円くらいだったと思います。
…私はこれだけで満足でした。ガレージキットが思っていたよりずっと大きかったこともあり、それ以上欲しいという欲望なんてなかったのです。そう、この時は。
それから月日は流れ4年後。繁忙期の会社から帰宅して一息つこうとした際、ふと部屋の隅のガレージキットに目をやりました。
「今って種類増えているのかな?」
…軽い気持ちでググった結果見つけた、アルティメット悟飯VS魔人ブウ(悪)のガレージキットが、眠っていた何かに火をつけました。
中央に位置するのが最初に購入したガレージキット。
そして、こちらの中央に位置するのが2体目のガレージキットです。
・・・え? ガレージキット以外も色々写っているじゃないかって・・・?
そ う な ん で す
超モンスター、ドラカプ襲来
二体目のガレージキットは私に火をつけました。それも激しく。
並べた二体のガレキ(注:ガレージキットのこと)を眺めた私は
「なんかもっとこう…世界観出したいっ!」
…という謎の発作を起こしネットの海を回遊。一昔前と比べてフィギュアのクオリティが格段に上がっていたことも手伝い、欲望に歯止めが効かなくなっていきました。
そして出会ってしまったドラゴンボールカプセル、略してドラカプ。
もともと私がガレキに惹かれた理由は、単品でポーズをとるフィギュアではなく、作品のワンシーンを切り取ったジオラマだったことが理由でした。
このドラカプはそのジオラマだったのです。手のひらサイズの。しかも種類が豊富。「一個だけ…」というつもりで手を出したのが運の尽きでした。
収集癖に火が付いた私は二日に一度ヤフオクで落札したドラカプが届く日々を3ヶ月ほど続け、気がつくと約15万(送料込)ほど使い込んでいたのです。
だって無印ドラカプのクオリティ超高いんだもの!!
築かれた楽園~パラダイス~
「あ!このトランクスのガレキ良い!」
「造形天下一武道会なんてあるのかぁ~」
「一番くじのフィギュア、高いけど欲しいのあるなぁ」
「親子かめはめ波のガレキ!?この名シーンはマストでしょ!!」
「超像Art、何だこのクオリティは…」
こんな調子で次々と手を出していった結果、自室の一角にフィギュアゾーンが出来上がっていました。観賞用のアクリルケース(ひとつ約1万円)を4つも購入し。。。
3つ目のガレージキットとその仲間たち。
4つ目のガレージキットとその仲間たち。
4つのアクリルケースを組み合わせた状態。増殖したフィギュアはこんな感じで私の部屋に鎮座していました。
ちなみに上段左に飾っている元気玉ポーズの悟空2人が掲げているのは、
左がJR東日本スタンプラリーの景品(記事はこちら)、
右がドラゴンボール×タワレコのコラボカフェ(記事はこちら)でもらったコースター、
右下の親子かめはめ波の背景はジャンプ展VOL.1(記事はこちら)で購入した複製原画です。
失われた花園~エデン~
しかし、楽園にもやはり終わりの時は訪れます。きっかけは子どもが生まれ、引っ越しが決まったことでした。妻から生活スペース確保のためフィギュアの撤去命令が下されたのです。
最初はこの聖地を守るジハードに挑む思いだったのですが「子どものためだから」という全てを無力化する呪文を繰り出され、為す術なく破れ去ったのでした。
前述のアクリルケースで飾る以外に、ドラカプはこんなタワー型ケースで劇中の時代別に分けて飾っていました。上から3段目に飾られているのはドラゴンボールアドバージ。デフォルメなのにカッコいいビジュアルに惹かれて買っていた食玩です。これも1個500円したんですよね~。
世界の中心でアイを叫んだけもの
アクリルケースはそのまま捨てると粗大ゴミとしてお金がかかってしまうので、写真のようにバキバキに割って燃えないゴミとして捨てていました。アクリルケース×4+タワー型ケースで計5万円、心の中で泣きながらハンマーで叩き割っていましたね。。。
深淵なる世界、その果てに
エデン崩壊後は、頻繁に通っていた魔境・中野ブロードウェイに行く習慣もヤフオクを眺める時間もなくなり、穏やかな日々が訪れました。
今にしてみれば、何かに取り憑かれたかのような日々だったなと思います。
え?
フィギュアはどうしたのかって?
それはもちろん、売りました(一部は)
今はもうすっぱり、フィギュアへの未練はなくなったのかって?
ええ。
それはもう、もちろん。
なくなり
なくな
な…
ナクナラナイヨネーー
今も部屋の隅でひっそり、反逆の時を待つレジスタンスたち。
使ったお金は締めて50万弱。
あなたも興味があればこの造形物の世界を、少し覗いてみてはいかがでしょうか?
そこには想像を超える何かが待っているかもしれません。
ですが、お気をつけください。
あなたが深淵を覗くとき、深淵もまた、あなたを覗いているのですから…。