日本語検定って知っていますか?
え?
外国人が日本語のレベルを証明するためのやつでしょって?
それは日本語検定じゃなくて日本語能力試験です。似てるけど全然別物なのです。
でも気持ちはわかります。私の周りでも違いを理解している…というよりそもそも日本語検定の存在を知らない人も多いので。
日本語検定とは
日本語検定委員会が主催する、日本語能力を測定する検定で民間資格です。受験者は主に日本人。
日本人のみなさん、日本語と侮るなかれ。二級までならいざ知らず一級はめっちゃ難しいです。合格率が毎年約10%という数字もその難易度を表しています。
日々の生活で見かけない・聞かない言葉だったり、知ってはいるけど漢字表記は知らなかった…なんて言葉がたくさん出るので普段本や新聞を読む習慣のない方は
ナンダコレ?
ってなること請け合いです。ちなみにこの資格、文部科学省後援だそうで。
日本語検定1級を受験、そして
職場の人にこの資格の存在を教えてもらい、仕事柄言葉を使う機会も少なくないため興味本位で受けてみたのが受験のきっかけでした。
1級とはいえ3か月くらい勉強すればなんとかなるかな?
と、なめてかかって返り討ちに遭った次第です(・ω<)
「日本語」検定というだけあって問題には文法や敬語に関するものもあり。私はその辺りはまだ良かったのですが、語彙や漢字が完全に力不足でしたね。調べたら漢検準1級レベルだそうな。
リベンジせねば!…と思いつつ、いかんせん耳慣れない言葉が多い。そこで、耳慣れない&見慣れない言葉を身近に感じることができないか例文を書いてみようと思ったのがこの記事です。
試験勉強の中で読んだ参考書を元にしているので、下記語群のレベルはだいたい試験と同じかと思います。みなさんはこれらの単語の意味・読み方分かりますか…?
語彙・漢字の例
膾炙
読み:かいしゃ
意味:広く言われ知れ渡っていること。
例文:歴代興行収入を塗り替えたことで「鬼滅の刃」の名は日本に膾炙した。
只管寛恕を請う
読み:ひたすらかんじょをこう
意味:「寛恕を請う」とは寛大な心で許しを請うこと。
例文:瀕死のフリーザは悟空に只管寛恕を請うたのだった。
従容として死地に赴く
読み:しょうようとしてしちにおもむく
意味:命の危険のある場合にも普段と同じように落ち着いている様子。
例文:少年漫画のヒーローはいつだって、従容として死地に赴くものさ。
先学の驥尾に付す
読み:せんがくのきびにふす
意味:優れた人の業績を見習ってことを成し遂げること。
例文: 先学の驥尾に付す必要があると感じた彼は、有名な漫画家のアシスタントとなった。
狷介孤高
読み:けんかいここう
意味:意志を曲げずに、他人と協力しないこと。
例文:ベジータ、昔のお前はまさに狷介孤高な奴だったよ。
因循姑息
読み:いんじゅんこそく
意味:古い習慣ややり方にとらわれて改めようとせず、その場しのぎに終始するさま。
例文:因循姑息な内山田教頭。
首鼠両端
読み:しゅそりょうたん
意味: 二つのうちどちらかに決めることができずに曖昧な態度。
例文:胸の大きい娘と尻の大きい娘の間で迷うねずみ男はまさに、首鼠両端だ。
杜撰
読み:ずさん
意味:誤りが多くいい加減で雑なこと。
例文:あの企業は杜撰な管理で個人情報を漏洩した。
頻りに
読み:しきりに
意味:同じことが繰り返し起きている様子。
例文:エロ本自販機の音が思いのほか大きくて、頻りに辺りを見渡す。
苟も
読み:いやしくも
意味:仮にも。
例文:苟も一国の長だったんだよ?例え正体がホムンクルスだとしても。
謦咳に接する
読み:けいがいにせっする
意味:尊敬する人に直接会って話を聞く。お目にかかる。
例文:私、高槻泉先生の大ファンだったんです!こんな風に謦咳に接することができて光栄です!
誑かす
読み:たぶらかす
意味:人を惑わし、騙し、欺く。
例文:言葉で狂わせると書いて、誑かす…娘に集る蠅め!たたっ斬ってくれる!!
拐かす
読み:かどわかす
意味:誘拐する。女性を騙して連れていく。
例文:誘拐の拐と書いて、拐かす…娘に集る蠅め!たたっ斬ってくれる!!
剥離
読み:はくり
意味:くっついているべきものが、剥がれること。
例文:乖離じゃないよ、剥離だよ。
乖離
読み:かいり
意味:背き離れること。
例文:剥離じゃないよ、乖離だよ。
聳やかす
読み:そびやかす
意味:ことさら高く上げる。
例文:いつも肩を聳やかして歩いている彼の名はそう、ジャイアン。
拱手傍観
読み:きょしゅぼうかん
意味:何もせずにただ近くで見ていること。
例文:ブロリーの戦闘力に怯えたベジータは、拱手傍観することしかできなかった。
信賞必罰
読み:しんしょうひつばつ
意味:功績は必ず賞し、罪は必ず罰すること。
例文:偉大なる経営者、松下幸之助は信賞必罰主義だったそうだ。
久闊を叙する
読み:きゅうかつをじょする
意味:旧交を温める。
例文:久しぶりにあった友人と叙々苑で久闊を叙する。
横死
読み:おうし
意味:事故や殺害など思いがけない災難で死ぬこと。不慮の死。
例文:「これは自然死じゃない、横死だ!」とコナン君が言っている。
虚心坦懐
読み:きょしんたんかい
意味:先入観も、わだかまりもない広い心。そうした姿勢。
例文:ダーリンは嘘ばっかつくから、虚心坦懐に話を聞くことは無理だっちゃ。
経世済民
読み:けいせいさいみん
意味:世を治め人々を苦しみから救うこと。また、そのような政治。
例文:「経世済民を謳い当選したあの議員、セクハラと汚職まみれだったそうな。世も末じゃ。」と、八宝斎が言っている。
糊塗
読み:こと
意味:一時しのぎにごまかすこと。
例文:垂金権造はBBCに対し失態を糊塗した。
講筵
読み:こうえん
意味:講義の行われる場所。もしくは講義そのもの。
例文:世界的な科学者、阿笠博士の講筵に列する。
惹起
読み:じゃっき
意味:事件・問題を引き起こすこと。
例文:その射殺事件がイシュヴァール殲滅戦を惹起した。
遺漏
読み:いろう
意味:大切な事が抜け落ちること。
例文:契約書は遺漏のないよう記入しろ、とウシジマさんに言われた。
唆される
読み:そそのかされる
意味:他人に惑わされ、ある行動を取るよう促されること。
例文:唆されたんじゃ!ワシはヤツに唆されたんじゃ!と逃げ惑う垂金権造。
にべもなく
意味:愛想なく。
例文:綾波さんにデートを申し込んだら、にべもなく断られました。
収斂
読み:しゅうれん
意味:収縮。
例文:「収斂と拡散は対義語なのよさ」とピノコは言った。
官衙
読み:かんが
意味:官庁。役所。
例文:「官衙と役所は同義語なのよさ」とピノコは言った。
内包/外延
読み:ないほう/がいえん
意味:内包はある概念がもつ共通な性質。外延は具体的にどんなものがあるかを指すもの。
例文:「内包と外延は対義語なのよさ」とピノコは言った。
能書/達文
読み:のうしょ/たつぶん
意味:能書は文字を書くのが上手いこと。達文は文章を書くのが上手いこと。
例文:「能書と達文は同義語じゃなくて類義語なのよさ」 とピノコは言った。
播種/発芽
読み:はしゅ/はつが
意味:播種は植物の種をまくこと。発芽は芽が出ること。
例文:「播種と発芽の違いくらい分かれなのよさ」 とピノコは言った。
干戈を交える
読み:かんかをまじえる
意味:戦争をする。
例文:「例文思いつかないからって私でお茶を濁すのはやめるのよさ!」ついにピノコが怒った。干戈を交えることになりそうだ。
外遊
読み:がいゆう
意味:留学や研究、視察などを目的として外国を訪問すること。
例文:外遊の結果手に入れた英語力で、藤原書記のような意外性を発揮したい。
馬手/弓手
読み:めて/ゆんで
意味:馬手は右手。弓手は左手。
例文:お箸は馬手、お茶碗は弓手に持つんやと、食堂のおばちゃんに言われた。
日輪
読み:にちりん
意味:太陽。
例文:銀魂にでてくるのは「ひのわ」だけど実際の単語としては「にちりん」と読むそうだ。
捷径
読み:しょうけい
意味:近道。
例文:学校までの捷径を通ろうとして、伊佐坂先生の庭に無断で侵入する。
つらつら
意味:よく考える、 深く考える様子。
例文:お風呂を覗ける場所は本当にないのか?つらつらと考えるのび太。
滔々と
読み:とうとうと
意味:水や人の話などが淀みなくどんどん流れているさま。
例文:パオズ山には滔々と流れる川があるそうな。
門前雀羅を張る
読み:もんぜんじゃくらをはる
意味:訪問する人もなく、ひっそりしている状態のたとえ。
例文:門前雀羅を張る店の経営に悩むオーナーに金を貸す、萬田銀次郎。
剪定
読み:せんてい
意味:樹木の枝を切り、形を整えたり、風通しを良くすること。
例文:庭師が剪定するための鋏を作る村田鉄子。
星霜/光陰
読み:せいそう/こういん
意味:どちらも年月、歳月を表す類義語。
例文:光陰矢の如し。幾星霜の時を超えてなお輝き続ける、名作・名曲の数々。
次序
読み:じじょ
意味:順序をつけること。
例文:ギャルゲーの攻略次序を定める。
鋳造
読み:ちゅうぞう
意味:主に金属を高温で熱し液体にしたあと、型に流し込み冷やして目的の形状に固める加工方法。
例文:鋳造する村田鉄矢。
如才ない
読み:じょさいない
意味:気がきいていて、抜かりがない。
例文:To LOVEるダークネスとティッシュのセットだと?如才ないな。
相好を崩す
読み:そうこうをくずす
意味:それまでの表情から変わってにこやかになる。
例文:いつも怒った顔をしているベジータが、生まれたブラを抱いて相好を崩した。
菩提を弔う
読み:ぼだいをとむらう
意味:死者の冥福を祈り供養する。
例文:戦死した山本総隊長の菩提を弔う。
驟雨/俄雨
読み:しゅうう/にわかあめ
意味:急に降りだしてすぐに止む雨を表す同義語。
例文:アニメ東京喰種のサブタイトル「驟雨」の回はショッキングだったな~。
麦秋
読み:ばくしゅう
意味:麦の穂が実り収穫期を迎えた初夏の季節。
例文:麦秋は秋ちゃう。夏やで工藤。
薫風
読み:くんぷう
意味:初夏の若葉や青葉の香りを含んだ穏やかな風。
例文:薫風は夏や。春一番とは違うで工藤。
蛹化
読み:ようか
意味:昆虫の幼虫が変態し蛹になること。
例文:孵化と蛹化と羽化は別物やで、工藤。
俚言/雅言
読み:りげん/がげん
意味:俚言はなまった言葉。雅言は洗練された言葉。
例文:扱う言葉は俚言から雅言に。吉原のおなごは皆、そうやって変わっていくのじゃ。
直参
読み:じきさん
意味:幕府直属の家臣。旗本と御家人の総称。
例文:徳川茂茂の直参になる。将軍かよォォォォォォ!!
燕雀/鴻鵠
読み:えんじゃく/こうこく
意味:燕雀は小さい鳥。鴻鵠は大きい鳥。
例文:志々雄様はこの腐った時代に火を点けようとなされたのだ!貴様のような燕雀に鴻鵠の志は分かるまい!!
荼毘
読み:だび
意味:火葬により死者を弔うこと。
例文: 流刃若火で荼毘に付す。
赫々
読み:かっかく、かくかく
意味:業績が著しい様子、あるいは赤く光り輝く様子。
例文:赫々たる武勲をあげた王騎将軍。
濛々
読み:もうもう
意味:霧・煙・ほこりなどが立ちこめるさま。ぼんやりしているさま。
例文:濛々たる湯煙の向こうに広がる温泉が売りのひなた荘。
皓々
読み:こうこう
意味:白く光り輝くさま。清らかなさま。何もなく広々としているさま。
例文:皓々とした世界、精神と時の部屋。
渺渺
読み:びょうびょう
意味:水面が広くて果てしないさま。
例文:渺渺たる海にダイビングするPaBのメンバーたち。
喨々
読み:りょうりょう
意味:音が明るく澄んで鳴り響くさま。
例文:パズーの吹く喨々たるトランペットの音色。
日本語検定1級リベンジにむけて
実は1度受けた後もう1度3か月くらい勉強してから受験したのですが、どちらも得点が68点とか69点で落ちました。80点以上で1級認定、70点以上80点未満で準1級に認定されます。
過去問から再度出題される単語もありはするものの、やはり出題される言葉は毎年大きく変わるので短期間での勉強ではなく日ごろからこれらの言葉に触れる機会を増やさないと何度受けてもダメなように感じました。なのでしばらく期間をあけてから受験予定です。
本記事タイトルが「挫けそうになった」であるように諦めたわけではないので、リベンジの暁には改めてご報告します!