『矢沢永吉激論集 成りあがり How to be BIG』…有名すぎて逆に読んでない方、意外といらっしゃるんじゃないでしょうか?かくいう私もその一人でした。が、それ、めっちゃ損してますよ!!!
矢沢永吉激論集 成りあがり How to be BIGとは
ロック界のレジェンド、永ちゃんこと矢沢永吉さんに糸井重里さんがインタビュー、聞き書き形式でライティングされた自伝本。1978年に出版されて以来、累計200万部を超える売り上げを誇るベストセラー本。
有名すぎてスルーされている方、あるいは特に永ちゃんファンでもないし…と、読んだことない方、以外といらっしゃると思います。世代でないこともあり、私も完全にそのクチでした。
きっかけはふと読んだ元少年隊、錦織一清さんのインタビューでの発言。以前YouTubeでみた、若い頃の仮面舞踏会のダンス映像がキレッキレ過ぎて
この人、すげぇな…
と思っていたのですが、そのニッキをして「成りあがりを読んでこの業界でやっていく覚悟を決めた」とおっしゃってまして。
名前は知っていたけど、覚悟が決まるような本なのか…
と、興味を持ちKindleを覗くと500円弱というお手頃価格で売っていたので軽い気持ちで読み始めたのでした。すると…
・・・お、面白すぎる。。。。
一気に読了してしまうほど引き込まれて読んだ挙げ句、聴いたことなかった永ちゃんのベスト版を購入、通勤時間に聞きまくるという状況に陥りました。アリよさらばヘビロテです。
そしてこの本で改めて、糸井重里さんという才能に戦慄しました。
名コピーをバンバン書いて、名作ゲームMOTHERも手掛けたお方でしたが、この本も糸井さんだったのか・・・永ちゃんもそうですが、糸井さんも紛うことなき天才ですね。。。。(何をいまさら)
『成りあがり』おすすめポイント
この本をオススメする方はビジネスやその他の分野で何かを成し遂げたいと思っている人、自分の行く道に迷いを持っている方ですかね。読んでいるうちに感じる圧倒的熱量に背中を押されると思います。
基本的に永ちゃんの言葉をそのまま起こしているからか、文章としてみたときには、正直何を言っているか分かりづらい部分もチラホラあるのですが、フィーリングは伝わります。そこは糸井さんの構成の妙でしょうか。そして刺さってくる話や言葉がバンバン出てきます。ちょっぴりお下品な言葉遣いはご愛嬌。
この本を読むまで私は永ちゃんのことを有名エピソード程度しか知らず、這い上がってビッグになったスター程度の認識でした。でもこの本を読んで感じたのは、永ちゃんってただハングリー精神と才能で成りあがったのではなく、ものすごくよく考えて行動していたんだなというものでした。
「勉強ができる」という意味ではなく「自分の頭で考える」という意味ですごく頭のいい方だったのだと感じました。そして以外に(失礼!)常識的。ヤンチャなエピソードはありつつも考え方は至極まっとう。
自信と、ハッタリと、思考と、行動力と、何よりビッグになるという断固たる決意を持って成りあがっていったサマが描かれています。
最初、サンザンな目にあう。
『矢沢永吉激論集 成りあがり How to be BIG』
二度目、オトシマエをつける。
三度目、余裕。
こういうふうにビッグになっていくしかない。
これ、ものすごくカッコイイ言葉ですよね。
そして実際、サンザンな目にあったエピソードが多数出てきます。
惨めな思い、悔しさに震えた経験、つらかった出来事など、多々出てきます。お世辞にもカッコいいとは言い難い敗北のエピソードも、あけすけに話しているあたりが読んでいて好感が持てました。あぁ、本当に成りあがっていったんだなぁ…と。
そしてそんな中でも腐らず立ち上がってこれたのは、落ち込む状況があってもやる気でかき消してきたからだそうです。暑すぎる…。
才能という言葉のもつ意味も語られていましたが、ナルホドと頷かされましたね。「持って生まれたもの」という意味合いだけではなく「自分に合っていると感じるものを見つけ、それを職にする」これも才能だと。そして自分に合うものが何なのかを真剣に考え、自分の専門分野に命をかけろと。個人的に今後の生き方や仕事・転職・その他いろいろ思うものがあった時期だったので、すごく励みになりました。
以前別のインタビューで老いるというのは年を重ねることではなく魂が老けること、みたいなことをおっしゃっていたと思いますが、その生き様を地で行くような人なんですね。魂は老いない。時間よ止まれ。
何かを変えたい方、立ち上がりたい方へ
私事で恐縮ですが本稿執筆当時、永ちゃんと同い年で同じ出身地だった父を亡くしまして。人生で一番泣いたなぁっていう感じの時期を過ごしたのですが、その後たまたまこの本を手に取ったこともあり、なんだか思うもの・感じることが多かったです。
永ちゃんは私なんかよりずっと早く両親を亡くしているので。その後も様々な困難にぶち当たりながらも、立ち上がって、這い上がって、登り詰めたんですもの。
わたし自身背中を押されましたし、これからも事あるごとに読み返すのではないかなと思います。
個人的には過去イチ影響を受けたD・カーネギーの『人を動かす』の次にぶっ刺さった本でした(ちなみにこの本の中で語られていますが『人を動かす』は永ちゃんも10回以上読んだほどの愛読書だそうです)。
あなたの何かに火をつけること請け合いの本書。特に世代が違い敬遠していた方には、是非お読みいただきたい一冊です!!