理解・分解・再構築はこの世の心理だと思っています、割と本気で。
ということで2021/12/18(土)~2022/01/16(日)の期間中、池袋サンシャインシティ展示ホールCで開催されていたハガレン生誕20周年記念原画展に行ってきました。本稿はそのレポートです!
帰ってきた鋼の錬金術師展
2017年~2019年に開催された「鋼の錬金術師展」が展示内容をパワーアップして帰ってきたのが今回の鋼の錬金術師展 RETURNSとのこと。
私は前回行っていないので展示品全てが初見だったのですが、前回行った方でも楽しめるよう展示数が増えているそうなのでファンだとやはり行ってしまうでしょうね~。
開催告知チラシのオモテ面。カッコいいキービジュアルです。
物販エリアの名は「ハボック雑貨店」。レシートにもこの通り印字されています。パンツのゴムから装甲車まで扱っている店が物販を担当。
チラシ中面。荒川先生新作とハガレンスマホゲーム最新作の告知。私は漫画とアニメしか見ていなかったのですが、連載終了から10年以上経った今も新作ゲームが出るあたり根強い人気を感じます。まあ、今回の原画展もその人気の為せる技ですしね。
感染症対策、安全に配慮した開催
会場の混雑緩和のため10:00/11:00/12:00/13:00/14:00/15:00/16:00で入場時間指定制になっています。
ネットでチケットを購入した際は時間が区切られていることしか分からなかったのですが、下記チケットに記載がある通りあくまで入場案内開始の時間なのでご注意を。私の場合は15時入場案内開始組でしたが、最終的に展示会場に入れたのは15:25でした。原画展後に予定がある方は鑑賞時間に加えてこの待機時間も考えておく必要があります。
ちなみに私は鑑賞後に予定があったため駆け足気味で観たのですが、それで約1時間でした。音声ガイドや原画に添えられている荒川先生のコメント、原画や展示物の数々をじっくり見ようと思ったら少なくとも2時間はかかるのでは?と思うので、これから行く方は鑑賞時間の参考にしてください。
鋼の錬金術師展RETURNS会場まで
展示会場がある池袋サンシャインシティ文化会館ビルの前。JR池袋駅構内でもこんな風に告知が多数貼られており、私が開催を知ったきっかけもその告知を見たからでした。
展示会場前の巨大パネル。このキービジュアル、20年前に新連載予告として描かれたモノクロイラストを2021年版として新たに描き起こしたものだそうです。元となった絵は本展示会や図録で見ることができます。やはり今とはデザインが異なるのですが、その違いに20年という時を感じました。
会場内での注意事項。よく見るとハガレンのキャラクターたちが…。細かい所にも凝ってますね~!
記念撮影エリア。エドとデンはパネルですがアルは立体です!来場の際はぜひ!!
荒川先生とハガレンのヒストリーコーナー。手前に飾られているのは過去グッズ・付録の数々。
来展記念のしおり。4コマ漫画の内容は来店した曜日ごとに異なります。「うむ!木造はよくもえる」雨の日は無能な大佐も生き生きしています。
展示される鋼の錬金術師原画の数々
初期の名台詞。このときは本当に三流相手に使っていましたが、まさかラスボス相手にもこのセリフが出るとは。
二人の長い長い旅を象徴するような絵。
カッコいいですね。なにがカッコいいって、大人たちがカッコいい。天才でも強くても、まだ子どもな主人公たちを見守る頼もしい大人がたくさん出るのも、この漫画の魅力のひとつ。
ラスボス戦クライマックスのイラストが描かれたタペストリー。素手で!!!
これも大きなタペストリーでした。良い絵だ…。長く険しい旅路の果てに辿り着いたハッピーエンドに感無量。
本編その後を表す絵。元の体に戻った人・今の体を受け入れた人、それぞれあって元に戻れない=不幸というわけじゃない…ということを表現したかったそうで。原画横に添えられた荒川先生のコメントを読んで、なるほどな~と感じました。深いです。
壁面に描かれたホーエンハイム。単行本最終巻のおまけページ、おまけと呼ぶにはあまりに尊いトリシャとホーエンハイムのやりとりは読んでいて泣けてきました。
原画だけでなくラフ画も多数。ホ、ホークアイ中尉のお、お、おみ足がっ…!!
壁にかかるハガレンの世界。
ここにもハガレンの世界…おや?この方は…。
この世界を錬成した創造主がいらっしゃいました。淑女がスカートを広げるがごとく、勝負パンツを広げる姿が神々しいです。なでたら御利益ありそうな感じがバリバリ出ていますが、お手触れ禁止。
前回原画展のキービジュアル。敵味方が同じ構図で描かれていて面白いです。
この記事を見た方の楽しみを削がぬよう写真はかなり絞りましたが、この他にも多くの原画や荒川先生のコメント、映像演出など盛りだくさんでした。
鋼の錬金術師展を彩る、展示物たち
また原画以外にも荒川先生が参考のために蒐集した資料や、物語中に登場したアイテムが立体化されたものも展示されていました。
ホークアイ中尉たちの使う武器のモデルとなった銃。こうやって現実に存在する「モノ」を見ると物語の世界をより身近に感じられますね。
こちらはリン・ヤオの刀剣やラン・ファンの鏢のモデル。隣には物語で使われたシーンが投影されています。
うおおぉーっ!エドの右手だぁーっ!!実際に目の前にしてみるとその存在感がスゴイです。質量、重量感がヤバい。個人的には今回最もインパクトを受けた展示物でした。
おぉーっ、バッカニア大尉のクロコダイル…!これまた現物見るといかついですね…!訃報を思い出しながらアームストロング少将が言った
「…どうだブラッドレイ 私の部下は強かったろう…?」
という台詞は様々な思いを感じる印象的なものでした。カッコいい台詞が多いアームストロング少将の中で最も好きなシーンです。
アームストロング少佐の拳…!いいキャラしてましたね~本当に、愛されキャラ。ちなみに私はハガレン女性キャラの中では姉のアームストロング少将推しでした(ホークアイ中尉と悩むところだけれども!)。
覗いているとフラスコの中の小人が出てきそうな雰囲気満載。
ランファンの仮面。女性キャラが腕を無くしながら戦うという描写は、当時結構衝撃を受けました。この漫画って強い女性キャラがたくさん出てくる点も特徴のひとつだと感じます。
キング・ブラッドレイは強すぎて「こんなのどうやって倒すねん…」と思って読んでました。約束の日は無双状態でしたし。まぁ、圧倒的に強いオジサンキャラってカッコ良いんですけどね!
他にもオリヴィエの金時計、フュリーの通信機の基となった資料なども展示。原画と併せてこれらの立体物が展示されることで、より鋼の錬金術師の世界に浸れる原画展になっていました。
アニメ 鋼の錬金術師コーナー
今回の原画展は映像演出のコーナー以外撮影OKの箇所が多かったのですが、アニメハガレンのコーナーは撮影NG。多くはないですがアニメの原画も展示されていました。
アニメや映画の鋼の錬金術師、今まで主題歌に様々な曲が使われてきましたが、皆さんにとって最も印象的な曲はなんだったでしょうか?私は最初のOPということもあってメリッサですかね~。
あとは L’Arc~en~Cielの印象も強いです。アニメと映画含めて4回も主題歌を担当しているからでしょうか。
「ほらもう怖くは無い
明日何が起こっても
乗り越えられそう
ここまで躓いても来れたから」
GOOD LUCK MY WAYの上記フレーズは何回聴いてもエドとアルのことが思い浮かびます。
原画展、その旅路の果て
展示エリアを抜けた先には今回のキービジュアルを立体化した像が!結構大きいので実際に見ると迫力あります!!
本原画展の図録。中には原画や展示物の他にエド&アル、マスタング&ホークアイの音声案内の脚本も掲載。ちゃんと音声案内を聴けなかった箇所があったので、これはかなり有難かったです!
また、表紙のアルと稲光の部分はエンボス&箔押し加工なので高級感アリ!
展示物の中にファンからのメッセージが投影されるゾーンがありましたが、連載終了から10年経った今も多くのファンに愛されている鋼の錬金術師。また原作やアニメを見返したくなりましたね〜。
等価交換が原理原則なら、この物語を生んだ荒川弘先生の持つ才能と努力はいったいどれほどか…。錬成された大いなる名作に敬礼!!